父母の離婚後の子の養育に関する民法等改正

更新日:2026年02月20日

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父母の離婚後の子の養育に関する民法等が改正されました。

父母が離婚後も適切な形でこどもの養育に関わりその責任を果たすことは、こどもの利益を確保するために重要です。2024年(令和6年)5月に成立した民法等改正法は、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直しています。この法律は、2026年(令和8年)4月1日に施行されます。

親の責務に関するルールの明確化

こどもの人格の尊重

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する責務を負います。その際には、こどもの意見に耳を傾け、その意見を適切な形で尊重することを含め、こどもの人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを扶養する責務を負います。この扶養の程度は、こどもが親と同程度の水準の生活を維持することができるようなもの(生活保持義務)でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。次のような行為は、この義務に違反する場合があります。

父母の一方が父母相互の人格尊重・協力義務等に違反した場合には、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。

  • 父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴等
  • 父母の一方が、他方による日常的なこどもの監護に、不当に干渉すること
  • 父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること
  • 父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと

DVや虐待から避難するために必要な場合などは、この義務に違反するものではありません。

こどもの利益のための親権行使

親権(こどもの面倒をみたり、こどもの財産を管理したりすること)は、こどもの利益のために行使しなければなりません。

 

親権に関するルールの見直し

これまでの民法では、離婚後は、父母の一方のみを親権者と定めなければなりませんでした。今回の改正により、共同親権、単独親権の選択をすることができるようになります。

親権の行使方法(父母双方が親権者である場合)

親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。

食事や服装の決定、短期間の観光目的での旅行や習い事などこどもに重大な影響を与えないものは、片方の親が一人で決めることができます。また、DVや虐待から避難、こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合など、緊急の事情があるときも同様です。

監護(日常の世話等)についての定め

離婚するときは、こどもの監護の分担についての定めをすることができます。この定めをするに当たっては、こどもの利益を最も優先しなければなりません。例えば、次のような定めが考えられます。

  • 平日は父母の一方がこどもの監護を担当し、土日祝日はもう一方が担当するといった定めや、父母が週ごとに交互に子を監護するといった定め
  • こどもの教育に関する決定は一方の親に委ねるが、その他の重要な事項については父母が話し合って決めることとするといった定め

養育費の支払い確保に向けた見直し

養育費をしっかりと受け取れるようにするため、新たなルールの創設や見直しが行われました。

取り決めの実効性の向上

これまでは、同居親と別居親の間で養育費の支払いを取り決めていたとしても、別居している親が養育費の支払いを怠ったときに別居親の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書、審判書などの「債務名義」が必要でした。今回の改正により、養育費の取り決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、別居している親の財産差押えの申し立てができるようになります。

法定養育費の新設

離婚のときに養育費の取り決めをしていなくても、同居している親は、もう一方の親に対して、一定額の「法定養育費」を請求することができるようになります。

※法定養育費は、あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。こどもの健やかな成長を支えるためには、父母の協議や家庭裁判所の手続きにより、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをしていただくことが重要です。

裁判手続きの利便性向上

裁判の手続きをスムーズに進めるために、家庭裁判所が当事者に対して収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで当事者の財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差押えといった手続きを行うことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

婚姻中の父母が別居している場面の親子交流ルールが明確化されています。また、父母以外の親族とこどもとの交流に関するルールが設けられています。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続中に親子交流を試行的に行うことに関する制度が設けられています。家庭裁判所は、こどもの心身の状況に照らして親子交流の試行的実施が必要かどうかを検討し、実施を促します。

婚姻中別居の場合の親子交流

婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流のルールについて、父母の協議により定めることや、決まらない場合は家庭裁判所の審判等により定めること、またいずれの場合もこどもの利益を最優先に考慮することとされています。

父母以外の親族とこどもの交流

父母以外の親族とこどもとの間に親子関係に準ずるような親密な関係があったような場合には、父母の離婚後も、交流を継続することがこどもにとって望ましい場合があります。こどもの利益のため特に必要があるときは、家庭裁判所は、父母以外の親族とこどもとの交流を実施するよう定めることができます。

 

その他、詳しくは法務省ウェブサイトまたはパンフレットをご覧ください。

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