美浜町の学校再編「学校づくりワークショップ」

更新日:2025年01月31日

 美浜町では、令和10年を目標に、すべての児童生徒が通学する小中一貫校を設置し、美浜の特色を活かした「新たな学校教育の創造」を目指しています。

 そこで、美浜の学校再編について、保護者や地域住民とともに考え、将来の学校教育や地域づくりについて考えを共有するため、昨年度実施した「夢づくりワークショップ」に引き続き、10月から全4回にわたり「学校づくりワークショップ」を開催しています。

スケジュール(全4回)

  • 第1回 令和5年10月24日(火曜日)午後7時 美浜町役場3階大会議室
    テーマ「子どもたちの交流」
  • 第2回 令和5年11月27日(月曜日)午後7時 美浜町役場3階大会議室
    テーマ「地域と小中一貫校の連携」
  • 第3回 令和5年12月21日(木曜日)午後7時 美浜町役場3階大会議室
  • テーマ「特色ある教育」
  • 第4回 令和6年1月24日(水曜日)午後7時 美浜町役場3階大会議室
    テーマ「基本構想の骨子」

参加者

町内6地区(布土、河和、河和南部、野間、奥田、上野間)より各5名(地区代表区長1名、小学校保護者代表2名、保育所保護者代表2名)、検討委員9名、公募10名 計49名

第1回 10月24日(火曜日)

第1回目は「子どもたちの交流」をテーマに、40名が参加し語り合いました。

美浜町の学校再編について説明

 伊藤教育長より、美浜町が目指す学校再編の概要について、「児童生徒数の減少の推移から、学校の適正規模・適正配置を考えていくうえで、”美浜町の子どもたちのためにオーダーメイドの学校をつくりたい。”」とお話がありました。

資料が置かれた大きなテーブルを囲むように椅子が配置された部屋で、着席した関係者の方々が、部屋の正面に設置されたプロジェクタースクリーンの方を見ている写真

学校づくりワークショップの説明

  1. 今年度の学校づくりワークショップについて
    名古屋市立大学鈴木教授より「小中一貫校整備基本構想策定のための、こんな学校をつくりたいという思いを皆さんと考えていく機会にしたい。」とお話がありました。
  2. 本日のワークショップの進め方のついて
    • 自己紹介
    • グループワーク

グループワーク1「小学生と中学生の交流」

美浜町6地区6グループに分かれ、学習・生活・その他の場面でどのような交流ができるかについて意見交換を行いました。

「上級生が下級生に教えるということを通して理解が深まる」「ランチルームで一緒に給食を食べる」「一貫校ならではの行事ができるとよい」といった意見が出ました。

グループワーク2「障がいのある子と健常な子の交流」

 「特性についての理解を深める必要がある」「パラリンピックスポーツを通した交流」「支援する側、される側という二分されない学校であってほしい」「交流の場については特別支援学級の子どもたちの思いに任せてあげたい」といった意見が出ました。

間隔をあけて大きなテーブルが複数用意された部屋で、グループごとに分かれて着席した関係者たちがテーブル上の大きな紙を使って話し合いを行っている様子の写真
部屋の正面に立つ6名の関係者が、付箋を色ごとで分けて貼られた大きな紙の資料を見せながら発表を行っている様子の写真

第1回ワークショップを終えて…

ファシリテーター(進行役)名古屋市立大学鈴木教授よりコメント

「短い時間の中で、充実した話し合いができており、多くの良い意見を聞くことができました。」

スーツ姿の鈴木教授が右手でマイクを持って話をしている写真

参加者の感想(一部抜粋)

  • 様々な立場の方の多様な意見を聞き、気付きや学びがあった。
  • 色々な意見が出てきた中で、どれも前向きで希望あふれる意見が多く、とても新しい学校が楽しみです。
  • どう交流するかというより、多様な子どもたちがそれぞれの良さを発揮できる学びの場がある学校にしたい。
  • 学校づくりの主人公は子どもたちであるということを忘れずに、子どもたちが通いたい、安心できる場になるような学校ができればよい。
  • 子どもの数が少なくなるため、多人数の中での学習の場をということですが、この弱みを強みに変えられる(外からもこんな学校へ行きたいという魅力のある学校)基本設計となるワークショップにしていきたい。

第2回 11月27日(月曜日)

 第2回目は「地域と学校の連携」をテーマに、地域全体で子どもの成長を見守る仕組みについて、参加者45名が語り合いました。第1回ワークショップのグループは、地区で分かれておりましたが、今回は参加グループをシャッフルしました。

町長あいさつ

 八谷町長より11月26日(日曜日)に開催した学校再編住民説明会の概要の説明がありました。また、小中一貫校の教育内容の検討についてワークショップ参加者のお力をお借りしたいとお話がありました。

プロジェクタースクリーンの向かって左側に配置された席に2名の関係者がおり、右側の男性がマイクを手に立って話をしている写真

グループワーク1「地域と学校の相互連携」

  1. もし学校の教員だったなら、地域の皆さんに協力を依頼したいこと
  2. 町民として学校を支援できることについて考え、話し合いました。

 「子どもの安全・防犯・見守りをしてほしい」「地域の産業やお祭りについての話をしてほしい」「行事への参加、読み聞かせ、草取りができる」といった意見が出ました。

グループワーク2「地域コーディネーターと活動拠点」

  1. 学校内に町民が自由に利用できる活動拠点を設けるとしたらどんな場所であってほしいか
  2. 学校と町民をつなぐコーディネーターを配置できるとしたら、どんな役割を担ってほしいかについて考え、話し合いました。

 「コミュニケーションがとりやすく、安心して過ごせる場であってほしい」「相談にのったり、話し相手になったりしてくれる人がいてほしい」といった意見が出ました。

大きなテーブルを9名の関係者たちが囲むように集まっており、テーブル中央に置かれた大きな資料を見ながら話し合いを行っている様子の写真
付箋が貼られた大きな紙をプロジェクタースクリーンの下で皆に見えるように持っている男性2名と、周りに立って一緒に発表をしている関係者達の写真

第2回ワークショップを終えて…

ファシリテーター(進行役)名古屋市立大学鈴木教授よりコメント

 小中学校の先生は異動があり、数年すると学校が変わっていってしまうため、町に住んでいる地域の人がいつまでも見守ることができるという「地域の力」が必要です。学校は地域の誰に話したらよいか分からず、地域も学校の誰に話したらよいか分からないため、それをつないでくれる「人の存在」が必要です。

参加者の感想(一部抜粋)

  • 多くの人が美浜の子どものたちのために考え、一緒に活動できる学校ができるといいと思いました。
  • 町民・地域・保護者が協力し、子どものための学校をつくるための意識づくりも大切だと感じました。自分たちができることを持ち寄って協力し合うことも大切だと思いました。
  • 町民、保護者、学校が最大限協力できるような学校運営のもと、特徴ある美浜の教育により、子どもたちがたくましく育っていくことを願っています。
  • 地域学校協働本部との連携があれば、自分の子どもが学校から離れても、関わり合うのにハードルが下がり、関わりやすくなるように感じました。
  • 地域人材を活かし、地域の方々にとってもやりがい、生きがいとなる学校となっていくことを望んでいます。

第3回 12月21日(木曜日)

 第3回目は「大学と学校の連携」をテーマに、日本福祉大学敷地内に建設予定の小中一貫校の立地特性を活かして、高校・大学とどのような連携協力ができるかについて、参加者44名が語り合いました。

町長あいさつ

 八谷町長より、「これからは、どうやってよい学校をつくっていこうかと皆さんがこのワークショップで真剣に話し合っていただいたことをもとに、結果的によかったと思ってもらえる学校をつくっていくことが私たちの仕事だと思いますので、本日も様々なご意見をよろしくお願いいたします。」とのお話がありました。

インタビュー

 大学と小中一貫校の連携における「美浜町のまちづくりの観点」「子どもたちの教育上期待する効果」「大学施設の活用」などについて、町長・教育長・大学関係者へのインタビューを行いました。

日本福祉大学の敷地内への建設を選ぶにあたり、大学とのつながりについてどのように考えていますか。

 町長:大学と連携する小中一貫校は全国になく、私立学校の敷地内に公立の小中学校をつくることもおそらく全国で初めてのことなので、互いに手を組んで新たな教育をしていくことは魅力的であると思います。単なる統廃合ではなく、美浜町の魅力を利用したよい教育を行っていくことが日本福祉大学の中ならできると思います。

日本福祉大学に小中一貫校を作ることが、将来のまちづくりにどうつながっていくと思いますか。

 町長:陸上競技場を核としたスポーツによるまちづくりや小中高大一体的な教育による発展につながると思います。

複数ある学校が一つになることが教育上、どのようなメリットになると考えていますか。

 教育長:小学校1年生から中学校3年生が同じ敷地の中で教育を受けることとなり、先生も同じ敷地の中にいるので、義務教育9年間を見通した系統的な教育活動がしやすくなると思います。例えば、美浜町には音吉、野間大坊、野間埼灯台など他地域に誇れるものがあるので、ふるさと学習などを行い、美浜町の良さを知っていく中で、次のステップとして美浜町の良さを発信する活動もできると思います。

小中一貫校に併せて、高校・大学ともつながるが、教育上、何が期待できると思いますか。

 教育長:パラリンピック教育や和太鼓の指導など現在も少しずつ連携しているが、敷地の中に小中一貫校があれば、先生も学生も歩いてくることができるため、今以上に多くの活動ができる可能性があります。

大学からの見方として、大学の中に小中一貫校ができることに対して、どのような効果があると考えていますか。

 大学関係者:教職を目指す学生は、その都度、学校に出向きながら学ばせてもらっているが、敷地内に小中一貫校があればすぐに教育実践を行い、学校へもフィードバックができるのではないかと思います。私立大学の敷地内に公立の小中一貫校ができる取り組みは全国初のことだが、これだけでも十分にインパクトのあることであり、大学としても研究のテーマになりうると思います。

大学の施設を小中学生が使わせていただくことが想定されるが、現時点での可能性をお聞きかせください。

 大学関係者:温水プールや図書館、パソコンルームなどがあり、小中学生だけではなく、その保護者にも活用していただけるような仕組みも作っていけたらと思っています。

資料が映し出されたプロジェクタースクリーンと、スーツ姿でマイクを手に話をしている男性や、男性の方を向いて話を聞いている様子の関係者たちの写真

グループワーク1「小中学生と大学生とのつながり」

  1. 小中学生から見て、大学生とのつながりに期待できること
  2. 大学生から見て、小中学生とのつながりに期待できることについて考え、話し合いました。

 「スポーツや勉強を教えてもらえる」「悩み事の相談ができる」「教育実習の実践の場になる」といった意見が出ました。

グループワーク2「美浜町と日本福祉大とのつながり」

  1. 美浜町から見て、日本福祉大とのつながりに期待できること
  2. 日本福祉大から見て、美浜町とのつながりに期待できることについ考え、話し合いました。

 「地域社会の活性化や美浜町のPRにつながる」「温水プールや体育館などの大学施設の活用が、子どもの経験や成長につながる」「実践的な場が広がり、大学のPRにつながる」といった意見が出ました。

グループごとに分かれた関係者達が、テーブル上の大きな紙を覗き込むように見ながら話し合いを行っている写真
水色とピンク色の付箋が複数のグループごとに分けて貼られた資料を、他の人たちに見せながら発表を行っている関係者達の写真

第3回ワークショップを終えて…

町長よりコメント

大学生が子どもたちの相談相手になってもらえるという点には気付かなかったので、よい考え方・意見をもらうことができました。

グループごとに分かれて椅子に着席している関係者たちと、マイクを手に立ち上がって話をしている男性の写真

教育長よりコメント

町と大学が互いにwin-winになる連携をしていかなければならないこと、メリットを最大限に活用した学校づくりをしていかなければならないことを改めて感じました。

グループごとに分かれて椅子に着席している関係者たちが見守る中、マイクを手に立ち上がって話をしている男性の写真

大学関係者よりコメント

解決すべき課題も多々あると思うが、メリットで課題を解消していくこともできると思います。これからもよろしくお願いします。

グループごとに分かれて椅子に着席している関係者たちと、スーツ姿でマイクを手に立って話をしている男性の写真

ファシリテーター(進行役)名古屋市立大学鈴木教授よりコメント

 今日は難しいテーマでしたが、このようなテーマのもと議論しているのは美浜町だけである。誰も経験したことのないことであるが、議論を重ねていくことがプラスになっていきます。

参加者の感想(一部抜粋)

  • 建設場所が大学敷地内に決定したことで、よりイメージが膨らみ、積極的・前向きな意見交換ができました。
  • 固定観念にとらわれない、美浜ならではの教育が生まれれば、全国初の取組みに見合った学校になっていくと思います。
  • 美浜町の魅力を小学生・中学生・高校生・大学生の子どもたちに伝えていくこと「美浜が好き」な人が増えていくと嬉しいです。
  • 町ができること、町民ができることを最大限に活かして、大人が楽しい町づくり・学校づくりを進めていけたら、子どもたちにとっても自慢の町・学校になっていくと思います。
  • 少子化による学校統合に、最初はマイナスイメージが強かったけれど、ワークショップが進むにつれて楽しみが増えてきたように思います。

第4回 1月24日(水曜日)

第4回目は「基本構想の骨子」をテーマに、「美浜町小中一貫校整備基本構想」の作成に向けて「小中一貫校の基本的考え方(案)」について、参加者30名が語り合いました。

小中一貫校の基本的考え方(案)についての内容説明

 名古屋市立大学鈴木教授より、「美浜町小中一貫校整備基本構想」の全体構成と、これまでのワークショップの成果を踏まえて作成した「小中一貫校の基本的考え方(案)」について説明がありました。学校づくりの基本的な考えを基本構想に盛り込んでいきたいと考えており、設計者に対して「こんな風に設計を立ててほしい」というものが基本構想になるため、基本構想(案)について文言の指摘や修正などの意見をいただきたいとお話がありました。

グループワーク「小中一貫校の基本的考え方(案)について」

 事前に「小中一貫校の基本的考え方(案)」に目を通してきていただいたうえで、意見交換を行いました。

 「子育て支援の充実についてスペースを確保してほしい」、「ユニバーサルデザインとして、見て分かりやすい表示が随所にあると良い」、「抽象的な表現が多いため、具体的に書いたほうが良い」、「子どもが主役なので子どもが通いたくなる学校ということを明記してほしい」、「美浜町でしかできないことに対する内容の比重が少ないように感じる」といった意見が出ました。

間隔をあけて大きなテーブルが複数用意された部屋で、グループごとに分かれて着席した関係者たちが手元の資料を見ながら話し合いを行っている様子の写真
大きなテーブルを囲むように着席した関係者達が、手元の資料やテーブル上の大きな紙を見ながら話し合いを行っている様子の写真

第4回ワークショップを終えて…

名古屋市立大学鈴木教授よりコメント

 本日いただいたご意見をどのように具体化していくのかはこれからの作業になります。次のステップにも参加していただけるのであれば、もう少し細かい話ができるのではないかと思っています。

紺色のジャケットを羽織った鈴木教授が、プロジェクターの近くに立って、両手でマイクを持ちながら話をしている写真

町長よりコメント

 本日は基本構想について、より具体的なことにまで踏み込んでいただけたことが成果であると感じています。これからも子どもたちも一緒に交えて将来のことを考えていける美浜町にしていきたいと思っています。

関係者たちが椅子に着席している中、スクリーンの近くに立つスーツ姿の男性がマイクを手に話をしている写真

設計者へのメッセージ(一部抜粋)

  • 子どもたちが外の世界へ出たときに、ふるさとである美浜を自慢できるような特徴のある体験ができる学校、そしていつでも「ふるさと美浜」に戻ってこれるような場所である学校を、町と住民が一体となって作っていけるような設計をお願いします。
  • 子どもを通わせる親にとって、自分のいないところに子どもがいるというだけで不安なので、不審者の侵入が絶対に無いように、親も子どもも不安の無い学校づくりをお願いします。
  • それぞれの学校の良いところ、残したいところを聞いて、取り入れることができるといいなと思いました。
  • 子どもが過ごしやすい、子どもの意見を取り入れた学校にしていただきたい。
  • 小中学生が高校・大学生と交流することで、ともに成長できる仕組みづくりができることを期待しています。
会場の正面に集まった関係者たちが、横4列ほどに並んで一緒に記念撮影をしている写真
表情を表した水色の6つのイラスト

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